ランドル・ギャレットのダーシー卿シリーズに興味津々で、2015年に中短編集の「魔術師を探せ!」が復刊されたときには喜んだものであった。それまで古書価格2000円くらいで推移していたような覚えがある。
当時早川書房の営業の人が「こちらの売れ行き次第では、『魔術師が多すぎる』の復刊もあるかも」と云っていたのを人づてに聞いて(本をたくさん買うからでかい本屋の偉い人と太いパイプを持っていたし、ある程度の発言権を持っていたあの頃)期待していたんだけど、案外早川書房さんは続刊に対して辛い。出ませんよ、「魔術師が多すぎる」。しばらく相場は上がりっぱなしで4000円以上をつけていて、ひどいときは9000円くらいにあがっていたと思う。
さすがに手を出せないが、内容は気になるから(だって時代改変のSFミステリよ)定期的に金額を観測していたのです。
普段の私は安易にお高い古書には手を出さない、前に出したのはマイクル・コーニイの「ブロントメク!」サンリオSFの文庫で2800円。買った直後に河出文庫で復刊しやがりましたけどね…(相場が5000円位なのが2800円に下がった時点で購入だったような)
これで痛い目に遭ったのでますます逃げ腰になるわな。
しかし、ある日突然の値動きで相場が半額以下になりました。送料を入れて2200円くらい。
割りと大手で割りと良心的で、価格を釣り上げて売れずに在庫として腐らせるよりはとっとと売ってしまいたい方針の業者に流れたらしい。それから釣られるように数冊の在庫が値崩れしました。
本来の価格よりお高い価格で買うのはちょっと、といつもは思うけれど今回ばかりは好機だな、と。
ということで数年欲しいなーと思っていた本を手に入れることができました。
これが復刊のフラグになるかもだけど…
相場の高騰で価格が上がったまま膠着してある程度の期間になるなら、死蔵するよりはこういうやり方で循環したほうが、古書業者もコレクターもWin-Winじゃないかしらん。
これからしばらくはほしいと思う高価古書はないはずだけど(ボロコーヴはミムジイも奇跡の復刊を遂げたし…)、値動きが気になる作品はいくつかあるのでチェックは続けていきます。株とかはわかんないけど古書でこういうのは、売らないけど見たり買うのは好きかもしれん。
最近値崩れして好機に買った本
- 作者: ジョンスラデック,John Sladek,真野明裕
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2008/09/01
- メディア: 文庫
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いま4000円だけど去年買った時送料込みで577円だった。