夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

002 キャロル・オコンネル 「クリスマスに少女は還る」

 結構長い間「読みたい本リスト」に入っており、取り出して読みかけては行方不明になって仕舞いには2冊めを購入した本。やっっっっと読みました。

クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)

クリスマスに少女は還る (創元推理文庫)

 

 なんと、Kindle版も出版されていた…長く待っていたけれどいつまでもKindle版が出ないからって2冊め買ったのに。

クリスマスも近いある日、二人の少女が町から姿を消した。州副知事の娘と、その親友でホラーマニアの問題児だ。誘拐か? 刑事ルージュにとって、これは悪夢の再開だった。十五年前のこの季節に誘拐され殺されたもう一人の少女――双子の妹。だが、あのときの犯人はいまも刑務所の中だ。まさか……。そんなとき、顔に傷痕のある女が彼の前に現れて言う。「わたしはあなたの過去を知っている」。一方、何者かに監禁された少女たちは、奇妙な地下室に潜み、力を合わせて脱出のチャンスをうかがっていた……。一読するや衝撃と感動が走り、再読しては巧緻をきわめたプロットに唸る。では、新鋭が放つ超絶の問題作をどうぞ!

刑事ルージュが双子の妹と人類史上まれな「性別の違う一卵性双生児の兄」という設定で、大学生からメジャー入りする野球の才能を持つけれど妹の死やそれが要因となって没落したため財産を切り売りして母との生活を守るために地元の警察官になってわりとくすぶる青年という設定で、天才を育てることで定評がある地元の学校で成長したというわりに、なんかこう…明確に活躍した感がないというか、野球選手の設定もちょっとだけ活用されて、美男という設定はちょいちょい出てきて華を添えるけど異性好きの女性読者に華を添えただけで、子供の頃に殺された双子の片割れにそっくりというのもそれがすごく活きたくだりもなく…

まあ、物語は主人公を中心に動くわけではなく、そしてこの物語の本当の主人公は別に何人かいるところもあって、その人達はそれぞれの設定が活かされたところがあるのでそこを意地悪くつっこむのはやめておこうか。

 

それにしても、割と多い登場人物のそれぞれの人間性はどれも掘り下げられることがさほどなく、掴みどころもさほどなく、ぼやけていたような感じがするなあ…何もかもが断定的で動くけれど、決定的ではないという…見切り発車で容疑者捕まえすぎ問題。

行方不明になった少女たちのサバイバル、彼女たちに近づけるようで近づけない展開にハラハラしてハラハラしてそこだけは心を揺さぶられたのは確か。

 

そして、過去に主人公ルージュの双子の妹を殺したかどで逮捕され、収監先で酷い仕打ちを受けたのが美男で女子学生たちに人気のあった神父で冤罪じゃあひどい仕打ちに対抗するために強くなったじゃあといったエピソードを見るとだんだんなぜか神父がプッチ神父とウェザーリポートが混ざった感じのイメージしか持てなくなってそんなシーンないのに素数を数えてそうとか、そのうちスタンド能力に目覚めるかもう目覚めているとか、妹だと知らずに恋に落ちる神父とかわけのわかんねー想像までしてしまいました。

 

たぶんそんなに集中できなかったのね。集中させる要素が薄いというか、ミスリードを誘いに来ることが多くて散漫になるというか。

とても評判のいい作品ですが、ぐいぐい引き込まれることはなかった。ただ、あらすじにもあるホラー好き少女のキャラクターだけ光っていました。その子のことが書きたくて書いたのかしらね?

 

 

 

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