子供の頃から何度となく挑戦している2001年宇宙の旅。見たことがある人ならなにに挑戦しているかお分かりでしょう。ええ。最後まで見ることに挑戦しているのです。
- 作者: アーサー・C.クラーク,Arthur C. Clark,伊藤典夫
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1993/02/01
- メディア: 文庫
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最初がしばらく真っ暗なまま徐々に音楽が大きくなってくる。ここで疲れていたら眠くなってくる。そして地球で類人猿が栄えていた時代の様子が10分くらい続く。明らかに人工物のなにかに類人猿が触れる。ツァラトゥストラはかく語りきがジャーン!と流れる。そこにはなにかを感じ入る。よし、起きているぞ!
かーらーの、飛んでいった骨が宇宙衛星になって美しく青きドナウが優雅にかかりだしてとどめを刺される。目を覚ましたら真っ赤な画面からなにかがいろいろあって、胎児がジャーン!と出ておわり。再び美しく青きドナウがかかり、おやすみなさい…
途中まで頑張って起きていても、昔の映画とかオペラみたいに「休憩」が挟まれていておやすみなさい…*1
私にとっては「惑星ソラリス」と並び、2大睡眠誘導映画です。あらすじとか読む限り好みの内容だし、舞台装置、カメラワーク、当時としては最高峰のSFX全部好みなのに!好みすぎて気持ちよくなって寝てしまう!!
昨日、アマプラでこちらを流しながら仕事がらみの大量のレポートを片付け、手元でドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」を見ていた。「2001年宇宙の旅」だけに集中したら絶対寝てしまうのはわかっていたので、でかい画面で美しいSFの映像を見ながら手前でコメディ、そして手元で課題をやっつけるという状態で見ていたら、なんとなく作品というものがわかってきた。
こんなのが約50年前に作られて、その頃には革新的だったんだろうなと。いまでも見応え十分だもの。狭い通路をランニングするシーンとか、客室乗務員のお姉さんがえっちらおっちら180度向きを変えるシーンとか好き。
スタンリー・キューブリックは私にとっては底冷えのするものを映像的に美しく作り込んで真正面から見せてくるイメージがあって、戦争映画大嫌いなのにフルメタル・ジャケットは大好きだったり、暴力もの大嫌いなのに時計じかけのオレンジは好きだし原作も読んでいたり。「シャイニング」も怖くて見られなかったのだけど、原作を読んだのをきっかけに見たら面白かった。
でも未だに「博士の異常な愛情」とかは見られてないのよね。
言葉にはしにくいが、作風の微に入り細に入りこだわりがあるところとか、冷徹な感じ、「いい話」にしようとしないところとか大好きで、意地悪なところもあるのも好みなので怖がりの意識を引っ込めていろいろ見てみようと思います。
で、昨日から「ながら見」ながら何周もしている「2001年宇宙の旅」ですが。
未だに全容がつかめておりませぬ。でも色んな作品の元ネタだというのはわかった。元から知っているものもあるけれど。
モノリスに触れてただの猿がいまある人類へ進化するという発想やAIへの密やかな恐怖とかも未だに色んな作品に浸透している。
私はゼノギアスで、発掘された人類の化石が突然変わったことに触れる下りが大好きです。
古典的と呼ばれるようになったSFに触れるとそこかしこにゼノギアスの匂いがするので、あの作品って本当にSF好きが作ったんだなあって嬉しくなったり。
SF色あるほうが好きだけれど、フルメタル・ジャケットはハートマン軍曹なしにしても面白かった。現地ロケが嫌でスタジオで作ったベトナムとか、2001年宇宙の旅にしてもセットで作った舞台装置が作り物なのが作り物にしかない違和感が悪くない方向へ作用しているような気がする。フィクションだってひたひたとわからせるのだけど、そこに安心感はない。得体が知れない感じのみ。
2001年宇宙の旅も得体が知れないことだらけなので(モノリスも得体が知れないしHALもそう)なにが起こるかわからない恐怖はしっかりと感じるのよね。スリラーなのか?
得体が知れないなりに視覚情報聴覚情報はどれも魅力的なので何周でもしてしまいそうです。
2017/10/31 1:29 更新
最後までわりとちゃんと見ました。HALが読唇をするところの視線怖い。船長が真っ白い部屋で老いていくシーンの美術がたまらなく好み。で、赤子というか胎児になるのだけど。
で?
って感じ…
胎児になりましたね。
で?って。
たぶん、何十万年か何百万年か前にモノリスに触れた類人猿が叡智を授かったようなようなものを得てからの生まれ直しってところかなーとも思ったんだけど。
小説の方も読まんとわからんかのう、続編も含め。小説は持っています。アーサー・C・クラークは「幼年期の終り」がむっちゃくちゃ好きです。
Xenogears PERFECT WORKS the Real thing -スクウェア公式ゼノギアス設定資料集
- 出版社/メーカー: 復刊ドットコム
- 発売日: 2014/04/10
- メディア: 大型本
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