夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

「羊たちの沈黙」と「さよなら、シリアルキラー」など

ホラー、サイコスリラーは 大の苦手なのにこれは何度も見ている。そういう範疇を超えた素晴らしさがあって細部を目を覆いながらも見ちゃう。

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

羊たちの沈黙 (新潮文庫)

 

 原作もハンニバルレッド・ドラゴンも持っているけれどどれも途中で読むのを辞めている気がする。先に映画を見ちゃうとね。

ハンニバル」はクラリス役を大好きで大好きで大好きなジュリアン・ムーアが演じていてそれはそれで魅力的だったが、やっぱり印象がつよいのはこちらの方。

緊張感がみなぎるクラリスとレクターの対話。レクターが出るだけで眼が釘付けになるんだけど彼の出演シーンは実はすごく短い。

 

前に見てから少し時間が経っていたのだけど、いま見ると、クラリスが終始いろんな男性からセクハラ目線で見られているのが印象的。レクターもわざとセクハラ発言をするけれどそれよりだんだんと彼女のトラウマの方に興味を持っていく。

レクターは美貌の精神科医という設定のはずだったけれど初対面がこちらのレクターで、若い頃に見たときは「体の小ぶりな頭の薄いおじさん」というイメージしかなかったけれど、私もいい歳になってきて年配男性の魅力を知っているので改めて見ると、食事を持ってきた二人の警官のために鉄格子越しに手錠を掛けられるのを待つシーンでの彼がとても美しくて見入ってしまった。

なんだろう、自分の作った罠に向けて入ってくる獲物を「ここに美味しいものがありますよ」と誘っている、一見隙だらけの表情。惚れるね!

 

原作も読まないとなー。あとドラマシリーズも見たい。マッツのやつ。

 子供の頃はホラー映画のえげつないシーンが普通に映画のポスターに使われて、それが子供の目に入るところに堂々と貼られていたので、カニバリズムもののB級ホラー映画のポスターを否応なしに目にしてビビり上がっていたしトラウマになっているのにこれはある程度気になるというか、それよりレクター面白いよね!って思うのがな…

 

シリアルキラーものは去年までに読んだ本でいろいろ知識を得たので今回はバッファロー・ビルの犯行やFBIのプロファイリングなどもわりと冷静に興味深く見られました。

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

さよなら、シリアルキラー (創元推理文庫)

 

 ↑これ。

シリアルキラーが絡んでくるサイコスリラーでありながら、立派な青春小説でもある。

最後まで読むと感動しちゃうのよ、サイコスリラーなのに。

父親が伝説的なシリアルキラーでその薫陶を受けて育った主人公が、街で起こった殺人事件のプロファイリングをするところから始まるんだけど、重たい過去と周囲のキツい目線を抱えながらもキュートな恋人と面白い親友と、過去に向き合ったりひどい事件に立ち向かったりするシリーズですのよ。

2作目3作目はプルーフで読ませていただいたのだけど(一般公募で当たったの)ラストは本当に素晴らしいので、途中がどれだけおっかなくても読んでよかった。そしてこちらで得たシリアルキラー豆知識、犯罪プロファイリングが細かいので羊たちの沈黙が楽しめるとか、見ないと気づかない成果であった。

ありがたいかどうかはわかんないけれどね!

 

最近上記3作のスピンオフ作品が日本独自編集で出版されて、そちらは購入しました。

運のいい日 (創元推理文庫)

運のいい日 (創元推理文庫)

 

 青春小説だけに、読みやすいので気軽に?楽しめるよ?サイコスリラーだけどね!