夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

RED

 つねづね、ヘレン・ミレンはかっこいいなーと思っていたので彼女がスナイパー役と知って視聴。

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主人公フランクは、元CIAの腕利きのエージェント。現在は引退し、田舎で一人のんびりと刺激のない年金暮らしをしていた。刺激と言えば、親しくなった年金の電話担当サラとの会話ぐらいだった。
ある夜更け、家に武装した集団が侵入したが、フランクはこれを片付け、更には外で銃弾を放つ敵もかたなく葬り去る。サラにも危害が及ぶと考え彼女の家へと向かい、事情を話すが全く信じてもらえず、言い争いの中で新たな敵が襲い掛かる。
襲撃した者がCIAに関わりがあることを知ったフランクは、かつての仲間であるジョー、マーヴィン、元MI6の名狙撃手であるヴィクトリア、現ロシア大使館長のイヴァンと共に、陰謀に立ち向かう。

ブルース・ウィリスは昔はラブコメでいい味を出していたのにいまやもうばりっばりのロートル感有りつつも凄腕の風格のアクション俳優になっている。

ブルース・ウィリスがまだアクション俳優として定着しきってない頃の「ブラインドデート」は楽しかったし、戦わない彼が見たかったらおすすめです。髪があるのよ!

それはどうあれ、歳を食ってもアクションで活躍しながらも恋も忘れない感じの役柄の今作、恋愛部分と、巻き込まれたのにいつの間にかノリノリのヒロインというのも若くないから楽しめるっちゃー楽しめるけど知らない人がいないくらいすごいキャストがなんか頑張ってる感じは面白くはありました。

 

最近モーガン・フリーマンの出ている作品をよく観るなあ、この人はいつも老けてるなあと思ったのだけど、「ショーシャンクの空に」では顔にシミがないのよね、若い。

先日見たグランド・イリュージョンでは胡散臭いニヤついた謎めいた役だったけれど、今回は楽しそうに演じていてやっぱりうまい。

ジョン・マルコヴィッチがどこまで役になりきっているのか謎なくらい素なのか役なのかわかんない雰囲気で、顔はアレだけど声は相変わらず素敵でね。

ヘレン・ミレンは独特の美しさ、彼女の過去の話とロシアのイヴァンとの関係ははっきり言って主役のふたりよりずっと好きでもっと見ていたいと思ってしまった。たぶん製作者側もそう思っていたのでは。

レジェンド級のエージェントたちが集まる羽目になったきっかけが濃いんだか薄いんだかいまいちわかんないし、あの名優の立ち位置もよくわからん、大味ではあるけれど敵側の若手の、私的にロード・オブ・ザ・リングのエオメルでおなじみの人が他のお年寄りに囲まれている中で存在感が負けていなくていい印象でした。エオメルもそんなに登場シーンないのに目力だけでも十分かっこよかったものね。エオウィンとセットで大好きなふたり。

 

が。

 

 

わりと大きなネタバレになるから名前は出さないけれどあの人、アレで終わりなのにびっくりした。

あのあっけなさが意外にリアル。

「しばらく人を殺していない」とか、元エージェントらしいリアルなセリフがぼろぼろ出てくる中で、あのあっけなさもリアルだった。人の死が軽いったらない。

撃たれてもあっちゅーまに復帰しているあたりはリアルというより漫画だけど。

 

続編はまた見たいと思いますが(ヘレン・ミレン見たさに)本当にヒロインいらなくね?と、私はこれから先もいろんなハリウッド映画を見るたびに思うんだろうなあ…ヒロイン不在の作品=名作が多い気がするだけにね。もしかしたらこの映画はそういうのも皮肉っているのではと思った。ヘレン・ミレンがめっちゃ活躍する隅っこで雪山で転がっていく彼女を見て特に思った。あのときの、ヘレン・ミレンの顔!あそこだけもう一回見たい。

 

ブラインド・デート [DVD]

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 髪があるよ!