夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

山中ヒコ 「500年の営み」

 これは…あかん、あかんでえ…

500年の営み (Feelコミックス オンブルー)

500年の営み (Feelコミックス オンブルー)

 

「あんまり似てなくてごめんね――好きだよ」 亡くした恋人を追って自殺したはずが250年の冷凍保存の末、未来世界で目覚めた山田寅雄(やまだとらお)。世話係として起動したアンドロイドは優しく親身になってくれるものの、亡くした恋人の"3割減"な残念ロボットで――? いじっぱりな青年が愛を受け入れ希望を求めて歩き出す、痛切な未来ラブストーリー。描き下ろし収録。 

かなり前にKindleでダウンロードしていたんだけど、BLなので読むスイッチがなかなか入らず放置していて、ここへきてBLとか括りはどうでもええ、性別が違う同士の恋愛はなんか子孫を残すための本能の言い訳に見えるというわけのわからん考えに取り憑かれ(けっこう雑な取り憑かれ方なので放置可能)質がよく、どうしても相手が同性でないと駄目な感じのBLなら読みたいと(時々、これ相手が女でもよくね?っていうBLがあるじゃあないですか)思ってこんな夜中(いま午前3時9分)に読んだのが運の尽き。

この直前の記事にもあるように、私はロボットと人間の恋愛や心の交歓がどツボなんですよ。ドラえもん映画ではいちばん鉄人兵団が好きだし、清水玲子先生はアンドロイドシリーズが大好きだし、うたプリは藍ちゃんが好きだし、ネオアンジェリークのジェイドには泣かされたし、銀色の恋人は私のバイブルですよ…

 

そんな私のツボに掌底キメてきおった…

 

しかも、評判は微妙ながらお話の展開が大好きでいつまでも心に残っているスピルバーグの「A.I」っぽい雰囲気もあり。ケン・リュウの短編を彷彿とさせられるところもあったり。ちゃんとSFしているBL…最高かよ…いま一番好きなやつじゃん…

 

 

しかし。

なんで主人公の一人が「太田光」って名前なの?「ひかり」じゃないけど。私、あの人に好意のかけらもないのでフルネームが出る瞬間だけテンションが下がるわ。途中からカタカナ表記になってどうでも良くなったけど。

 

途中からは嗚咽を漏らしながら読みましたよ。これはすばらしい。

最近中村明日美子先生の「同級生」全3巻を読み直して萌えあがったのだけど、その気分を引きずったままいい感じに萌えました。ありがとうございます。

 

ああいま読んでよかった。

読むタイミングも大事かもね。もともとそんなに腐女子じゃないしストレート・アライだけどBLを好んで嗜むほどじゃなかったんだけど、ハリウッド映画でお約束のようにロマンスが加味されてるところとか、鬱陶しくて。なんで決まって男女なのかとか?なんで性愛を含む異性愛がないと頑張れないのこの人達?みたいなの。最近はそれも減る傾向があって、アナ雪とかマレフィセントとかパシフィック・リムとかマッド・マックスFRとかその最たるものって感じだった。

そこへユーリを知って、頑張れる理由になるのが同性で師弟でいいじゃない、しかもそれがド直球でもいいじゃない、ロマンティックでもいいじゃないというのを味わうと性別なんかどうだってええんや、むしろ子供を作ろうという本能からくる人を好きになろうとする気持ちとは違うところで生まれる愛って素敵やん?と思っちゃって!

まあ本当に同性同士で好きになる人の心のメカニズムが私に分かるわけないんだけど。本能がどうなっているかも私にはわからないんだけど。

親友(女性)が私を求めたら吝かではないと本気で思って入るしそこに「この人との赤ちゃんが欲しい」というのはないのは確かだけどね、もともと私は子供は大好きだけど、自分に子供がいたらわからないと思うので、なんの参考にもならない。

 

そんなことを考えつつ、いまはこういうのがどストライクなのでもっといろいろ知りたいが、いまあるものを楽しんでもいいやとも思っているのでした。

 

500年の営み

500年の営み

 

 いい顔ぶれのドラマ?朗読?CDだなーおい。

 

 途中からの展開がひどくて好きなやつ↓

A.I. [DVD]

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原作↓別の版で持ってる。 

スーパートイズ

スーパートイズ

 

 ↓これに所収の、遠未来の話を思い出した。

紙の動物園 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

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