夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

エドワード・ケアリー 「アルヴァとイルヴァ」

アルヴァとイルヴァ

アルヴァとイルヴァ

この物語の舞台、エントラーラは、趣のある建物とそれなりの歴史を持ち、少し変わった住民たちが住む小さな町です。そこに生まれた双子、広い世界を夢見る姉アルヴァと、姉との別離に傷つき、ひきこもる妹イルヴァ。この姉妹が静かにいそしむのは、わが家のなかに「世界」をつくること―エントラーラの町を粘度の模型に写しとることでした。世界と渡り合うには個性的すぎ、また繊細すぎる姉妹のささやかな楽しみは、しかし、彼女たちの外側にある大きな「世界」を救うことになるのです。でも、どうやって?それは読んでのお楽しみ。どうぞエントラーラの町をご訪問ください。期待の新鋭が贈る繊細な工芸品のような長篇小説。

双子といえばS・キングのシャイニングの双子が一番に浮かぶけどこの双子もなかなか怖かった。 離れたら死ぬというくらいの絆で結ばれていた双子が社会を知るにつけホルモンバランスがかわることもあり(?)関係が変質していき、それぞれの社会との折り合いのつけ方が…痛々しい。 暗黒乙女のエグいマウンティングに曝される繊細な引きこもり暗黒乙女という構図は身近でも見られるけれど客観的に見るとどっちもイヤっ。 繊細さを主張すると社会的には自己中になるのは経験則からわかっているけれどそれで他者を攻撃するって歳を重ねても大人じゃない。しかし大人になりきれず、息苦しく生きていくなかで彼女たちが作り出したものは意味があった。…ようだ。 あんまり親しみが持てないのは彼女たちの祖父への扱いが悪くて、おじいちゃん子である自分的に「やめたれ、やめたってくれええええ」という下りがあったから。だから同情もできないという。 自伝形式なのに人間の生臭い性とか変態性を包み隠さず描いていて、これは清々しさとか美しさとか求めてはいけないがそれでも自分にはないもので認められた人を知る上では私的に読んだ方がいい本であった。

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