夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

夏目漱石 「吾輩は猫である」

吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (新潮文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

吾輩は猫である (角川文庫)

吾輩は猫である〈上〉 (集英社文庫)

吾輩は猫である〈上〉 (集英社文庫)

以上、私が持っている「吾輩は猫である

読んだのはiPhoneアプリ「i文庫」で青空文庫のファイルを落としたもの。
いままで何度となく読もうとしたものの、改行がないなかでセリフや地の文が長々と続く文体に集中力がない私は横っ面を張り倒され、面白いのはわかっているのにと思いながらも挫折つづき。
でも2016年までに計画もあってなんとか読みたいとi文庫で読んだら、スマホだけに1ページの情報量が少ないのでどこまで読んだかがわかりやすく、改行がないのもしんどくないことが判明。
おかげでわりと楽に読めた。

猫の視点で飼い主の先生の心を見透かしたりご近所の事情を覗き見したりしながらも、あくまで猫なんだからちょっかいは出さない、見てるだけ。飼い主が出不精というか引きこもり気味なのを「牡蠣的」と表現し、彼が何とかして出かけないよう、人と接しないようあれこれするさまはちょっと私にも通じる。ネズミと戦おうとする猫がニャン運長久を祈るくだりで爆笑し、先生の家を急襲して寒月くんと娘の結婚の話から不躾で図々しいことを要求しまくった金田夫人の鼻を散々バカにするくだりで作者本人の意思を読み取った。
100年以上前に書かれたわりに男の登場人物の草食ぶりに、現在の男性の女性的なのは今に始まった事ではないと思ったり。

猫の個性の可愛さはあくまでも猫で、そこに先生の猫に対する考えを感じた。猫好きではなかったという話もあるけれど、私は猫が大好きだからわかる。同じ匂いがする。きっと同じ目をしている。

寒月くんの結婚の行方や愛や死について仲間内で延々と議論がされるなかで到達する結論が割と寂しく、そのあとの猫の運命を思うと滑稽な話のようでやっぱり先生はネガティヴなものを落とし込んだのだとは思ったのだけど猫の最後のモノローグは投げやりなようでも感じ良く心に残った。念仏だもの。

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