夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

コニー・ウィリス 「最後のウィネベーゴ」

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)

最後のウィネベーゴ (奇想コレクション)

最近文庫版が出たのだけど単行本ですでに持っていて、一話追加されていると言っても逡巡しているところに、表題作だけでも読んだらいいとオススメされてドラクエのスロットを押しながら読んだ(結果としてすっている)。

「最後のウィネベーゴ」
出てくるガジェットというかカメラで撮ったものを見る機械がブレードランナーにこんなのあったなあってもので、調べたらあの映画より6年後に発表されている。あの頃は、フィルムありきの時代で富士フィルムは化粧品で活路を見出すなんてあまり考えてなかったんじゃないかしら。
そしてFacebookに似たような、もっと機密性の高い感じのものも登場してお話にスリルを与える。
でもお話に大事なのはカメラと被写体の方。あと、絶滅したものと絶滅寸前のものたち。
読んでいたら自然と、いままで一緒に過ごしたわんこたちの顔がよぎるというもので、彼らに無性に会いたくなった。悲しい別れをすることが多かったけど、私が彼らのことが大好きだったのはわかってくれていたかなあとか思いを馳せた。
いまうちの母親が飼っている犬はかなりおバカなので家族から可愛がられながらも鬱陶しがられているけれど、私が会いにいくと珍しいし私が怒らないので私にかまって欲しくてはなれない。居眠りしているとわざと起こしにくる。アホやなあと思うのと愛おしいと思うのとは同じなのだ。
そんなことを改めて考えさせられるお話だった。
身近なものの死で傷つかないことなんかありえない。その影は濃くも薄くも周りの人たちへも長い間落とす。たぶん犬全体の種がどうもなっていなくてもこういったお話としてなりたつような気がする。しかしウィネベーゴとも重ね合わせるために必要であり、それだからSFとかどうこうより優れた文学作品になっている。動物好き必読。


ほかも時間を見つけて読んでみよう。おいおいこの枠を更新して行く予定。
そしてこの単行本は「航路」にハマらせてコニー・ウィリスファンにさせた私の愛する親友、Hちゃんに進呈して文庫版を買おう。
「犬は勘定にいれません」もそうだったけど、松尾たい子さんは単行本と文庫版でイラストを変えるからどっちも良くてそれにも困る。奇想コレクションのカバーイラストはどれも飾っておきたい。いまのところこれとタニス・リーパトリック・マグラアしか持ってないけど。たんぽぽ娘の表紙も楽しみなのに、いつになるんだか…

悪魔の薔薇 (奇想コレクション)

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失われた探険家 (奇想コレクション)

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