夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

シャンナ・スウェンドソン (株)魔法製作所シリーズについてというかオーウェンについて

2年前、私は県外の某市に2ヶ月間転勤をすることになった。初めての都市、仕事内容もエキサイティングながらちょっと大仕事だったのだけど、身軽な仕事についている恋人を連れて行っちゃうとか実に大胆なこともやってのけたのであった。
それはどうあれ、その仕事先の近所に、ハヤカワ、創元文庫が信じられないほど充実した本屋さんがあった。仕事は多忙を極めていたが、読書する余裕は欲しいとなんとなく手に取ったのがこちらの本だった。

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)

軽く読めるファンタジーがいいなあと思って読んでいたら、期待以上に面白く、主人公の片想いの相手となるオーウェンがいままでで読んだアメリカの小説の男性の主人公で一番可愛いのであっという間にはまりこんだ。(ちなみに一番かっこいいのはスティーヴン・キングの「ダーク・タワー」シリーズのローランド・デスチェインだと思う。青年の頃の美しさもさることながら、良い感じに老いてしかも強い)オーウェンの可愛さ、素敵さに主人公のケイティよりときめいたレイラは当時既刊の4巻まで買い込み、仕事の合間やご飯を買いに行く道中、スーパーのレジに並んで会計を待つときも片時も離さず読むほどに没頭したのであった。萌えて、笑えて、ときめいて、泣けて、ハラハラして、あまーーーい気持ちになれて、忙しくて楽しい。充実した気持ちになれるラブコメファンタジーを堪能したのであった。

お話はテキサス出身の何もかもが平凡な26歳の女性、ケイティがニューヨークのマンハッタンで就職して以来妖精のような羽のついた人など変なものを目にしてしまってもニューヨークなんてそんなもの、と割りきって気分屋で性悪の女上司に虐げられながら日々を送っていたが、Mr.ライト(理想的な男性=もちろんオーウェンね。)と出会って不思議な現象を目の当たりにしたことをきっかけに「魔法界のマイクロソフト」に転職することになるところから始まる。
当時、私はこの主人公のケイティが序盤で虐げられてた事態と似た状況から逃れて転勤した経緯があったので他人事じゃない部分があり、震えながら読んだものだけど、転職してからケイティが翻弄される事件の数々はエキサイティングで、所々で恥ずかしがりながらケイティをフォローするオーウェンが可愛い。
オーウェン・パーマーはケイティよりちょっと年上で(株)MSI(マジック・スペル&イリュージョンという、ケイティが転職することになる会社)の研究開発部理論魔術課の責任者で古い文献にある魔術を検証して現代にも使えるよう開発するお仕事についていて、潜在能力が現代の魔法使いのなかでもトップレベルなためにわざわざ内気に育てられた経緯があり、イェール大学の博士課程を卒業して魔術の特許も多数所有しているからお金もあったり、事実上会社の幹部でもあったりする上に、ゴージャスなハンサムという非の打ち所がない人なのであった。非の打ち所といえば内気すぎてすぐに赤面して口ごもるところくらい?でもそんな欠点、可愛いだけです。他の長所を際立たせるだけです。おまけに性格もかなりいいし、本来は勇敢でビジネスになるととてもクールでタフなのよ。

彼と会社は問題を抱えていて、それを解決するアイディアをケイティが持っていたことからケイティの物語は賑やかになっていくのだけど、その面白さは読んでいただいて味わっていただけばいいので、とりあえずこのシリーズの現状とか私のこのシリーズにまつわる近況について書いておこう。

今のところ日本では5巻まで発売されていて、今年の9月11日に新刊である「魔法無用のマジカルミッション」が発売される。
しかし、本国アメリカでは4巻までしか出ていない。2巻以降の販売数が伸び悩んでいるから、シリーズを一旦まとめた5巻が本国では発売されていない。
日本では翻訳者さんと出版社である東京創元社さんのお陰で5巻が読めて、この度第2部にあたる6巻が発売されるから日本語ネイティヴな私が最新作を読ませていただけるのだ。本国のファン(絶対いるでしょ!オーウェン大好きな人!)は辛い状態が続いているというのに、ありがたいことだ。
そのことに最大の感謝を捧げて応援するべく、5巻が発売された時点で読書メーターに登録したのだけど、一旦まとまった展開で終わってしまったので満足してしまった。
しかし第2部でまたオーウェンとケイティに会えると知ったので地味に立ち上げたブログで記事にしようと思い立ったのだけど、ただのオーウェンが大好きでたまらない暑苦しい記事になってしまっている。
私の情熱はハンパなく、他にやることがいっぱいあるのにやってらんねーと言わんばかりにこのシリーズを1から再読中。いま5巻の「スーパーヒーローの秘密」に取り掛かっているところ。
ネタバレとネタバレでないレビューも考えていて、近々挙げていく予定。男性諸氏や興味ない人にはドン引き確実。足を引っ張ったらどうしよう?

オーウェンは黒髪青い瞳の美青年で、人によってはイメージするのがオーランド・ブルームとかだったりするんだけど(私も当初はそうだった。ちょっとオーウェンより細身なイメージだけど)再読していてこのタイミングで、ちょっと前に知ったばかりのイギリスの俳優さんがしっくりハマるので紹介しておく。
でも読む人のイメージから離れているかもしれないから、あくまで私にはぴったりで、というかもうオーウェンにしか見えなくなってる感じの人なので以下のリンクのクリックにはどうぞ慎重に。
イギリスの、ウェールズ人の俳優でLee WilliamsさんのIMDbの画像↓
http://www.imdb.com/media/rm3941907712/nm0931146
本当はスーツ姿のとびきり美しい画像があるのだけど、個人サイトの画像だったりFacebookの彼のファンページで挙げられた画像だったりするのでこちらでは引用しない。気になったら画像検索をおすすめします。顎が割れているのは日本人には好まれないみたいだけど、私は気にならないなあ…俳優さんとしての情報は、イギリス以外では活躍されていないから全然知らないけど、顔で一目惚れしてしまった。

オーウェン自身はアイルランド系と指摘されていて、彼の秘密が明らかになるのは5巻。それを私はこれから再読する。これがまた、切なくてハラハラするの。読むのが怖いくらい。

とにかく、魅力的な登場人物にハマってしっかりとしたお話に夢中になりたい人におすすめ。他にもたくさん魅力的な登場人物がいるから彼らも紹介したい。
たくさん売れて、ちゃんと続刊が出るといいな。続刊があるとして。

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)

ニューヨークの魔法使い <(株)魔法製作所> (創元推理文庫)

赤い靴の誘惑―(株)魔法製作所 (創元推理文庫)

赤い靴の誘惑―(株)魔法製作所 (創元推理文庫)

おせっかいなゴッドマザー―(株)魔法製作所 (創元推理文庫)

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コブの怪しい魔法使い―(株)魔法製作所 (創元推理文庫)

コブの怪しい魔法使い―(株)魔法製作所 (創元推理文庫)

スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) (創元推理文庫)

スーパーヒーローの秘密 ((株)魔法製作所) (創元推理文庫)

魔法無用のマジカルミッション (?魔法製作所) (創元推理文庫)

魔法無用のマジカルミッション (?魔法製作所) (創元推理文庫)