夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

今週の #まんぷく (第25週目) (終了)

先週の次週予告で鈴さんのお葬式が営まれていたので嫌やんと思いつつなんで遺影が忠彦さんの絵なのか、それがこの番組のやり方かとも思っていたらよ… 

 まさかの生前葬!主要登場人物は咲姉ちゃんしか死なせず、亡くなってもじゃんじゃん出てきた咲姉ちゃんに対して鈴さんが亡くなるとしたらどういうことになるんだろうと思ったら、死なせないでお葬式をさせるとか、お話として完成されすぎている!!下手に死なせるより晴れ晴れとして気持ちの良い締めくくり方になったのでは。しかも最後の最後まで咲姉ちゃん出るし。

 

真一さんも神部くんも世良さんとも気持ちよくハグで終わらせてくれて、ほんの少しの時間でも加地谷さんや野呂さん、牧、善之介夫妻や真一さんの奥さん(名前忘れた)、ハナちゃんトシちゃんまで出してくれて半年間見てきた自分に充実感を齎してくれました。

これぞ大団円。

 

波の多い日々だったけど落ち着いている頃の描写をほとんど排除して波だらけにしたのでハラハラすることが多かったけれど、同時にそれが面白いし退屈することなく笑っていることが多かったな。

例えば秀子さんが出てきたとき、なんで壇蜜さん?とざわついたのに、最終回近くになっても響いてくるキーワードを投じた重要な役回りだったり。

無駄なことが殆ど無いのよね。

私的には六平直政さんにまた出てほしかったけれど…あんなに萬平さんの人間性を信じて力づけた人だったので。

 

どの演者の人も余すところなく魅力を発揮し、それぞれが役になりきってその世界で生きている(あるいは夢枕に座っている)のでこちらも存分に感情移入が出来ました。

面白そうな予感があったから見たのだけど、ここまで落ち度のないものを半年見させてもらうとは思わなかった。ありがとうございました。

 

私の中でハイライトは…

序盤、鈴さんからも「冷たそうな人」と言われた真一さんが咲姉ちゃんを失って自分の恋を手放そうとしているふくちゃんに「生きてそこにいるなら手放してはいけない、いけないよ」と優しく諭すところ

 

結婚を許す、と云ったときの鈴さんのスカッとした笑顔

 

ラーメンを食べた仲の意味合いがその時の都合でころころ変わる世良さん

 

落ちぶれてハーモニカを吹く流しのような生活をしていた加地谷さんにハンコをプレゼントしたときの伝言

 

進駐軍に捕まった原因が手榴弾で魚とりだったのが衝撃だったり

いちいち巻き込まれる真一さんがかわいそうだったし。

何回も書いているけど腹痛で苦しむ萬平さんに「仮病じゃないのぉ?」「ほんとにぃ?」と尋ねたときのニュアンスが鈴さんにしか出せない感じで好き。

 

ふくちゃんは利発で優しくて強いヒロインで、見ていて応援したくなる立ち位置。

萬平さんは天才らしく暴走しがちだけど「人の役に立つ」ことに重きをおいていてふくちゃんが生活費を切り詰めても不平を言わず(鈴さんが云ってたけど)応援する価値のある人でした。

 

後半も魅力的な人がたくさん出てきたけれど、私は白薔薇の夫婦が大好きです。

あの人も好き、あの人がよかったという人が枚挙にいとまがない。悪い人がほとんどおらず(いるにはいたけど)1週間程度出た人ですら印象を残しました。イッセー尾形さんもよかったな。

 

おかげさまでこの半年間とても充実していたけれど、こんなにほぼ毎日欠かさず見るほど私は根気良くもなければ体力もないはずなので、「まんぷく」だから持続できた感じはある。

なつぞら」は録画はします。大好きな草刈正雄さんとナックスと仮面ライダーたちが出演するし…でもアニメーターになりたいって、「半分、青い」に続いてなんでその世界なんだろ?って。それが終着点ならいいけどいっちょ噛みしただけで結局地元へ帰ってなんか違う職種につく話になったらどうしよう、と、そんなに見てなかった(子供時代編だけ見た)「半分、青い」のイメージが強いだけにな…

まんぷく」が完成度高かっただけにな…

朝ドラの視聴者に広瀬すずさんが特別に好きな層がそんなにいない気がするんだけど、そのへんを覆してくれたらいいよねえ。私はアリスさんが好きで、すずさんは全然知らない。

先日、出演される高畑淳子さんが綺麗な男性だらけとテンション高くおっしゃっていたけどそのへんは本当にそうなのよね。そして真田丸カップルでご出演…

私はビルド犬飼さんが見たい。とりあえず1週間は見よう。そうします。

 

連続テレビ小説 なつぞら Part1 (NHKドラマ・ガイド)

連続テレビ小説 なつぞら Part1 (NHKドラマ・ガイド)

 

アリスさん好きだなあ。まあ、姉妹だからって比較することでもないけれどな。たまたま目に留まってその言動に好感が持てたのがアリスさんってだけ。

トライエックス 広瀬アリス 2019年 カレンダー CL-182 壁掛け B2

トライエックス 広瀬アリス 2019年 カレンダー CL-182 壁掛け B2

 

 

うちの雑な家計簿に「瀧拠出」という言葉が書き込まれた日

時折このブログでも触れていますが、私は瀧が大好きです。 

ピエール瀧の23区23時

ピエール瀧の23区23時

 

 電気グルーヴが今年で結成30年とのことだけど、「人生」のころはナゴムレコードのアンソロかなにかで名前を知っていて、電気グルーヴの名前を知ったのは、ソニーが「今度広島で無料のライヴをやるから来てください」とチケットが送られてきたのをスルーしたときに認識したというころから知っているけれど、好きになったのはいつくらいだろー。KARATEKAかな。

KARATEKA

KARATEKA

 

 それより先にスチャダラパーフリッパーズ・ギターが好きだったので。

で、スチャダラパーも野外で無料のライヴをやっていたのをチケットをもらったけど私はその頃からわりと病的な出不精だったので行かず、親友に行ってもらって写真OKだったのでBOSEアニシンコの生写真をもらうという…生写真…

 

なんで無料のチケットを貰いやすかったかって、スチャダラはどういう経緯か忘れたけどソニーのなにかの会員でいろいろ優待をもらったり、デモテープをもらったり。当時マライア・キャリーがデビューしたてでデビューシングルも無料で送られてきたものじゃった…そして地元の音楽関係のお店にすごく顔が利いたのでいろいろ融通してもらっていたのであった。

 

ナゴムレコードはそんなに知らなくて、詳しかったのは親友。親友というのは5歳からの付き合いでこんな親友に恵まれていいのかと慄くくらい、モデルのように長身で美しく、知能も高くてセンスもよくて遠くの街で博士やってる人で。

ろくちゃんもナゴムレコードをそこそこ詳しくて電気グルーヴ好きでアルバムを所有していたのに…ここから今回の問題が発生するんだけどさ。

で、同年代の仲良しが顔を揃えて話すのがスチャダラフリッパーズ電気、って感じの学生時代を過ごしたわけですよ。

 

ポンキッキーズとかに出ているのも当然見ていたし、ちょうどスカパーが普及してMTVとかスペシャ見放題だったしで音楽にハマるのに環境が整っていたんだけどCCCDというクソみたいなシステムもあった時代だったな、と思い返してる。だからアルバムとして所有していることが欠落している時代もあったり。

 

瀧は独特のキャラクターが大好きで。私は体操シリーズが大好きなんですよ。

日々の憂さを晴らすのにちょうどいいような感じ。親友と瀧を褒めると話が長くなるほど瀧が好きで、この3月の頭にも瀧が好きだとか瀧はおもしろいとか瀧すごいねーとかLINEでやりとりしていて52歳にどれだけ我々は心を寄せているのとあとで冷静になって笑ったりね。

張震が瀧に似ていると私は長い間主張しているんだけど親友は「瀧のほうがかっこいいよ」という主張を崩さない。わかってる。瀧のほうがかっこいい。でも張震がかっこいい瞬間も瀧がよぎって困ってるんだこっちは。

カップルズ

カップルズ

 

 これは似てない…

グランド・マスター(字幕版)
 

 これの世界で一番怖い理髪師集団の中心でドヤってる顔とか似てた。

 

そして3月13日の朝、目覚めてLINEを見ると親友が「瀧が!」と。

で、いやーな予感が頭をよぎりながらTwitterのトレンドを見ると瀧が逮捕とあるじゃないですか。

 

そこから1日中、なぜか大変でした…別に身内でもないし友達でもないのに、親友とろくちゃんとどーしよどーしよどーしよと。

そして俳優としても活躍する彼の作品に関しての対処が様々な動きを見せ、キムタク主演が話題になり、作品的にも評判がいい「ジャッジアイズ」が販売中止、配信も中止と発表されて。

しばらく買う予定がないのに買っちゃった。

JUDGE EYES (ジャッジ アイズ) :死神の遺言 - PS4
 

 そして電気グルーヴの楽曲がAmazonUnlimitedなどストリーミング配信で有料聴き放題だったのも、単品販売も一旦取り下げると聴いて、私は真っ青になりましたよ。

ろくちゃんCD持ってるよね?と訊くと「いい時代になったなーって、リサイクルにだしちゃ…った…」

 

あああもう断捨離が憎い!断捨離はいいことないよ!

 

それなりに単品でダウンロードしていたけれど、アルバムで所有しているのはORANGEとDRAGONだけだったので、大好きなVITAMINも落としたり、PVもお気に入りを落とし、思い入れのある「ジャンボタニシ」と「ドリルキング社歌2001」も落としました。

 

ジャンボタニシなんかメインボーカルが瀧だからアウト中のアウトだけど、なんでジャンボタニシやねんと自分でも思う。

でもすごく大事な思い出があるんだよ。曲の内容は小学生男子がテキトーに作ったような歌詞でそこもいい。

 

あの曲がスペシャでよく流れていた頃に、当時付き合っていた恋人と別れ話が出て、美男でユニークな人だったんだけど、日頃人間関係がこじれたり死んでも泣いたことがないという話をしていたのに別れ話になると泣き出して、なんとも美しい別れの瞬間につけていたテレビから流れたのがジャンボタニシとドリルキング社歌。

最高でしょ。あの思い出大好き。何回もその話ができる。

 

私にとって重要な時間やそうでもない時間の要所要所に電気グルーヴの曲はあり、卓球も瀧もそこにいたので今回の騒動では何回か親友やろくちゃんに「瀧が死んだみたい」と泣き言を言ったりクールなはずの親友が「解散しないよね?」「瀧どうしちゃったのかな」とかファンなのか友達なのかわかんない取り乱し方をしたりと大変で、いまも報道の一個一個に悲しくなったり胸が悪くなったり笑ったり。

一番笑ったのは街の人のコメントの「真面目そうな人なのに」。仕事への向き合い方は知らんけど、パフォーマンスを見ていたらそんなこと1mmも思わん。

 

ラジオとかちゃんと聴いてなかったのが悔やまれるな。メロン牧場は昔愛読していてエヴァの主題歌をdisっているのが好きだった。(disっていたのは主に卓球)

 

「脳内で麻薬を摂取できる男って瀧を表現している人が居たけど、摂取してたね…」

「それな…」

 

と苦々しく笑い合ったりもしたけれど、いまは楽曲配信が復旧してくれるのを祈り、作品に罪はないと監督が泣きながら語った麻雀放浪記2020を楽しみに、沙汰を生あたたかく見守って行こうと思っております。

 

で、お給料の使いみちを書き込んでいて、雑な家計簿に「瀧拠出」とゲームソフトと楽曲に一夜で使った12000円、来月の引き落としのために引き落とし用の口座に入れたことを記録して、「瀧のアホーーーー!」と心の中で叫んだのでした。いや、Twitterで何度か叫んだ。

 

法律で禁止されていることはやってはいけないが、そもそも麻薬の摂取は法律で取り締まるべきなの?社会的に追い込まないといけないの?病気なの?体を壊すの?麻薬で周りに直接的に迷惑をかけるのは、人格を失って人に危害を与える瞬間くらいと思うのだけど、社会的に追い込んで周りも一蓮托生で追い込むペナルティって本当に必要なの?

売る側が反社会的勢力だからというなら、重要参考人扱いで、あとは本人の体質や行状を見て病気なら治させる、うまく付き合っているなら経過観察でいいんじゃないかなーと、本質的なことで疑問を持ってしまった。まあ、私は瀧がやろうが岡村ちゃんがやろうが麻薬なんか興味ないですけどね。そのうち死にかけて苦痛を和らげるために合法的に打たれるだろうから、そのときに嫌でも知ることになるんでしょうよ。

今週の #まんぷく (第24週目)

 とうとうあと6話で終わってしまう…

NHK連続テレビ小説 まんぷく 下

NHK連続テレビ小説 まんぷく 下

 

 こうやって通してみるとまんぷくヌードルにかなりの時間を使ったような気がする。着想、容器と麺と具材それぞれに焦点を当て、どれも従来に殆ど無い発想だったと。麺を容器に入れることすら。

それを細かく丁寧に描写しつつ、箸休めのような存在だった名木くんのわりとどうでもいいエピソードも実は重要でした!というのも、この物語を大きく見ていけばなるほどと。忠彦さんの戦争での被害も重要だったし、マンボも実は重要であったように。忠彦さんがおっしゃるように、忠彦さんと克子姉ちゃんの恋愛はそう重要でもなかったのか?忠彦さん的には。お話が始まったときにはすでに4人の子持ちだったものな…

 

忠彦さんの恋愛以外はどれもまんぷく食品のパッケージに収束していくというね。

真一さんと忠彦さんが仲がいいというのもパッケージに収束していくという…あの義兄弟本当にいいよね…素晴らしい関係性だと思うの。大人の品と良識がある男性同士でね。軋轢のあの字もなさそう。お互いを尊敬しているしな。

まんぷく食品の幹部が森本さんを除いて身内になったり(森本さんも塩軍団からの関係なので身内みたいなものだけど)してまんぷく食品へ収束するというか、女系家族の今井家に収束するというか。

 

萬平さんたちが作り出すものがどれほど当時の価値観や常識をくつがえすものだったのかを始終しつこく「ないわ」「ないわ」と否定している世良さんと鈴さんの存在によって当たり前になった現代人の視聴者にも伝えてくるのも上手だと改めて思う。

100円は高い、その100円である理由がこれからあと社会を見据えているのもすごい。

 

リアルタイムで追いかけていると合間合間のエピソードがお話と関係なかったりすると首をひねるものだけど、この作品はそれすら重要になりえるから目が離せないところがある。

 

源ちゃんの仕事に対する向き合い方が3月のはじめ頃を思うとすごく変わっているけれどそれがあからさまでもないし、幸ちゃんが脇に引っ込んだ感じはあるけれどすごく美しい佇まいを見せたり周りに優しかったりね。時間の経過が人を成長させているなあ。

 

で、時間の流れで一番気になっているのは鈴さん。

ほぼノーメイクと思われる病床での姿が美しくて、口を開けばいつもの鈴さん、いつものブシムスなんだけど眠っていると目を奪われるほどの美女で。見惚れてしまった。

予告の流れがむしろギャグかと思うほど死に向かっているのでびっくりしたけどね。

やっぱりこのお話はふくちゃん、萬平さん、鈴さんのスリートップだったのだと言わんばかりにクライマックスに鈴さんの死を据えてくるのかなあ。

これほど死んでほしくないと思わされた朝ドラの母はいないかもね。

 

ほとんど即日に追いかけられていた「まんぷく」がいよいよ終わりを迎える。こんなにちゃんと見た朝ドラ初めて…でもないけど、すごく丁寧なお仕事を見せていただいた充実感でいっぱい。良い締めくくりを見守りたいと思います。

19003 三浦しをん「舟を編む」(原作)

 装丁の美しさからつい買っちゃった本屋大賞ノミネート作品。

愛なき世界 (単行本)

愛なき世界 (単行本)

 

 私はここ最近の本屋大賞には懐疑的なので乗っかる気はまーったくなかったんですが、作家と作品には罪はないです。罪なのは売り込みができる出版社の営業と、読んでもないのに書店員なら投票できるシステム。書店員がみんな良書を知っているとしたら大間違い。1/5いればいいほうよ、書店員に友達や知り合いがいっぱいいるから言えるんですけど。だって私に海外書籍のベストセラーについて訊いてくるんだよ?私だってそんなに知らんわ!

舟を編む (光文社文庫)

舟を編む (光文社文庫)

 

 で、本屋大賞三浦しをん先生といえば先にこっちを単行本で買っていて(受賞前に)受賞後にあれやこれやとメディアミックス展開されるので、あらあらと言っているうちに読む機会を失っていたこちらを読みました。

もともと三浦しをん先生の小説は好きなのですよ。地の文の日本語が丁寧だし。

しょっちゅう触れてるけど「月魚」が一番好き。

 

月魚 (角川文庫)

月魚 (角川文庫)

 

出版社の営業部員・馬締光也は、言葉への鋭いセンスを買われ、辞書編集部に引き抜かれた。新しい辞書『大渡海』の完成に向け、彼と編集部の面々の長い長い旅が始まる。定年間近のベテラン編集者。日本語研究に人生を捧げる老学者。辞書作りに情熱を持ち始める同僚たち。そして馬締がついに出会った運命の女性。不器用な人々の思いが胸を打つ本屋大賞受賞作!

辞書編纂という一般的にちょっとピンとこない分野のお仕事小説ですが、私は国文出身なのでまだ少しは近い、わりとわかる感じかなと思ったら思った以上に緻密な世界だった…

辞書と言っても広辞苑レベルのものなのでかなりのボリュームがあるものを一から編纂するというものなので念入りな仕事ではあった。仕事の描写は内容が充実していて面白かった。

でもこのあらすじ、大げさで、「ついに出会った運命の女性」とかね、ついにというと物語の中心に据えられそうな言い回しだけど序盤のことなので。

章ごとに視点と主役が変わってそれぞれの立場でお話が進むのは物語を多面的に見られて面白く、それぞれの仕事や周りの人に対する向き合い方とかが伺いしれて良かったのだけど、恋愛が人生にとっての大事なイベントのように、登場人物のそこかしこに恋愛が絡んでいて、それが生活の一部なんだろうけど仕事にプライベートを持ち込んだり介入したりするシーンがわりとあってそのあたりは私の仕事に対する信条とちがうのでしじゅう首をひねりっぱなしでした。

私は会社の同僚に自分の好きな人の話をしないし、しなくても仲良くなれるし仕事は捗るのよね。そして恋愛の悩みどころか自分の悩みで仕事が左右されることもないし、仕事で出会った妙齢の相手をどうのこうの思うメスブタスイッチは入らない…仕事外で一緒にご飯を食べに行くことがあったとしても、メスブタスイッチは入らない…

 

説明しよう!メスブタスイッチというのは、思春期か思春期をこじらせたまま大人になった女性が自分好みの男性が絡むとテンション上がってぐいぐい行ったり、ツンデレになってみたり、さらにいろいろこじらせて鬱陶しい人になって周りの人が面倒くさく思ってしまうスイッチである。 

もっと良い言い方はないものかと自分でも思うんだけど、実生活で「あ、この子いまメスブタスイッチ入ってる」って思うことがあって。

同義語に「オスブタスイッチ」もあるけれど、なんつーか、豚に失礼よね、ごめんなさい。アバズレスイッチとヤリチンスイッチって言えばいいかしら…(どれにしろひどい言い方)ヤリチンスイッチはね、相手の気遣いなくセクハラ発言をしたり、わかってないのにこうやってやれば喜ぶとか勘違いしている人ね。下手なのにね(なにが

だいたい豚野郎って言い方も豚に失礼よね。豚はキリスト教的に嫌われているけれど、あんなに美味しくて可愛いし、動物の本能的にがっついているのかどうかは知らない…

 

そのへんはどうあれ、恋愛部分が差し挟まれる割には簡単で少女漫画的であったり、わりと安直なのをノイズに思うかスパイスに思うかが難しいところ。確かに重要な部分に効いていたりするけれど…お仕事小説に恋愛はいるか、いらないかという論議に入りそうな勢い。

ドラマの「重版出来」が似たような業界のお話なんだけど、原作の方は知らないけどドラマの方は仕事のことがすごく中心に据えられていて、主人公にほのかに恋してる同期の人とかいたりしたけどそれがお話に大きく関わってくることはなかったのよね。主人公はそんな浮いた話より仕事を頑張る気持ちでいっぱいだったしな…

ああいうくらいの距離感がいいわ、と。

でも辞書を作るお話はかなりの時間の経過を要するので、その間に人の入れ替わりや時の流れを表現するために携わる人の環境の変化の描写は必要なわけで。

そのへんの匙加減をどうするか難しいんだろうなあ、そして中心になるまじめさんは小道具も含め、恋愛要素は大事だったんだろう。とは読んでいる途中でわかってきたのでまあいいかと流せた。

 

映画化されてそこでまじめさんを松田龍平さんが演じている点でね。

じゃあ松田龍平さんが恋をこじらせるの?と思うと萌えるしな…

読んでいると笑えるところがわりとあって、そういう笑える要素に松田龍平さんがいると思うとわくわくするしな…

映像化されたあとで読んでよかった。

雲田はるこ先生のキャラデザでアニメ化もされているけれど、そこも良いんじゃないでしょうか。雲田はるこ先生のあのイラストでこじらせたり煩悶したり、四面楚歌をもじったりする可愛げのある男性が描かれるのはいいんじゃないでしょうか(ここで自分にメスブタスイッチが入るのを自覚)

舟を編む

舟を編む

 
茫洋

茫洋

 
舟を編む 上巻 (KCx)

舟を編む 上巻 (KCx)

 

 

 

お仕事小説、お仕事を題材にした作品にどれだけ仕事外のネタを盛り込むかが気になったけれど(「愛なき世界」はそのへんをもっと感じそう)辞書が出来上がっていく流れは有意義で面白く、細かい作業を通して出来上がっていく様子が丁寧に書かれていました。そのへんはお上手だなあ、ためになるなあと、思わず自分の持っている辞書のいろんなところを見たものね。執筆者とかね。あと紙の触り心地。私は紙の触り心地と匂いを大事に思うのでそこの描写があって嬉しかった。

 

広辞苑も学生時代に使っていたのを持っているんだけど、たぶん近いうちに引っ張り出して読み耽るでしょう…学生の頃は受験勉強の合間にいっぱい読んでいたものであったよ。いまは漢字検定の勉強をしている流れで漢辞海を愛用しているのでそればっか見ている。電子辞書も持っているし、アプリとして大辞林ウィズダム英和和英を持っているけれど、辞書は紙のものですよ。英単語英熟語を覚えるツールにするなら特に。

全訳漢辞海 第四版

全訳漢辞海 第四版

 

 

そして!この小説を恋愛を持ち込むことに首を捻っていたのだけど、恋愛が絡むことが重要になるエピソードもあるにはあった。

それに対する登場人物の姿勢、考え方がすごく気持ちよくて。「辞書とはなにか」「なんのために辞書を引くか」に関してはこのあたりがクライマックスだった。

このために恋愛の描写があったのだったらまあいいか!とも思える。確かにそういう議論をしていてあなた方はどうなのよ、と思う読者もいるかもしれないしな…

 

最近の良い傾向で物語にあまり悪い人は出てこず(ちょっとは出る)清々しいエピソードが多いし笑いどころはあるし、地の文は綺麗だし、辞書編纂の世界に興味がある人には有意義な作品なのではないでしょうか。

今週の #まんぷく (第23週目)

 毎回毎回笑わせどころがある朝ドラって本当に珍しいんじゃ…

 今週はヌードルの具問題と名木くん泣きすぎと幸ちゃん可哀想話で相変わらずの世良さんの綺麗な手のひら返しも見られました。自分の先入観や思い込みをかなぐり捨てられる人って変なこだわりがないだけに成功しやすそう。

福ちゃんは大体において縁の下の力持ちで、源ちゃんにも幸ちゃんにもいいお母さんであり、鈴さんとも仲はよく、そして萬平さんにも感謝を忘れられていない良い立ち位置です。よくデキる人が主人公でよかったなあ。そのへんがほっとできる作品が作られるようになってよかった。主人公といえばドジとかね、そんなんいらんですわ今どき。

ラノベでも主人公が異世界に行けば無双みたいな話が喜ばれるものな。読んだことないけどああいうの、本当に面白いのかなあ?

そのかわりに夫がしょっちゅうトラブっているし母親が常に己に正直で周りを振り回したりしているので福ちゃんくらいちゃんとしてないとバランスが取れないという。真一さんもいないとね。

白薔薇夫妻は口が軽いんじゃなくて本気で心配していたんだろうな。子どものころから知っている子だしな。あっさりとした幕引きだったけれど、幸ちゃんは名前の通り幸せになるといいね…

そして大介。おっさん子どもでセリフを聞くのが毎回楽しみ。

 

そんな中。

80歳をすぎた鈴さんの体調になにかあるようなんだけど、予告を見て最初はまた仮病かと思ったら、今度はさすがに本当らしいけど、咲姉ちゃんのところへ行ってほしくないなあという気持ちが強い。鈴さんに退場してほしくない…今週も幸ちゃんと源ちゃんにふるくさーい結婚観をギラギラちらつかせ、心配なあまりに干渉を強めようとするところをふくちゃんにとめられているのがほんま鈴さんの持ち味って感じで、拗ねながらも手伝ったり可愛かったからな…

朝ドラで口うるさいおばあさんって泉ピン子さん枠というか意地の悪いババアのイメージが強いけれど、鈴さんはそんな枠に収まらない可愛い人であった。いけずはほとんどしないしな。自己中で自分の価値観が一番の人ではあるが、ブツクサ文句言いながらもずっとふくちゃんたちに寄り添ってくれていたしな。

 

そのへんが目が離せない週になりそうだなー…

ドラクエビルダーズ2 いちいち真田丸とかぶっていると思いこんでいる

 ムーンブルク編終了しました。裏切り者が誰かわからないという、ミスリードを誘う展開とシドーとの関係の縺れがいろいろある展開で、敵の畳み掛けが多いなかでストーリーがややこしいのも良い気晴らしになりました。

 しかし…大きな旗を持って敵を前に振り回すシーンがあったり、敵を罠にはめる城西づくりなどつくづく真田丸みあるなと思うのですが、そこは私の思い込みも強いのかね。

大博打のはじまりじゃーーーー!って言いながらいまからっぽ島でトラップ敷いてる…

今回はこれと言って見せる画像もないのですが、お話も佳境に入り、シドーについてはうすうす気づいているけれどどうなるのかなーって、ちょっと切ない気分です。

寄り道しながら最後までがんばりまーす。 

 

19002 森博嗣「スカイ・クロラ」

 珍しく事情があって日本の小説を読みました。事情があるのも珍しく、日本の小説を読むのも珍しい。でもたぶん次も日本の小説。

スカイ・クロラ (中公文庫)

スカイ・クロラ (中公文庫)

 

 以前劇場版をスカパーのチャンネルで見たのだけど、作画が苦手で、内容が静かだったので途中で寝た覚えがあって、押井守監督の作品だと知っていたのかどうかは覚えていなくて読んでいる途中で調べて再認識?してびっくりしたという。

だって押井守監督なら眠気をこらえるっしょ。寝ちゃったとかありえないよ。

 でも寝ちゃったのねー

僕は戦闘機のパイロット。飛行機に乗るのが日常、人を殺すのが仕事。二人の人間を殺した手でボウリングもすれば、ハンバーガも食べる。戦争がショーとして成立する世界に生み出された大人にならない子供―戦争を仕事に永遠を生きる子供たちの寓話。

 主人公の男性の一人称で語られるので、彼の知っている範囲で世界や周りについて語られていくので、世界が私の知っているものよりどんなふうに変容した状態で彼らがあるのかがぼんやりとしかわからない。喜怒哀楽で表現すると喜怒は欠落気味で、哀も押し殺し気味。ふんわりとした楽しみはあるのか、親しみとか楽しみとかでなんとかごまかした今を生きることに関する感情の薄さで生きている感じ。

その合間合間に草薙水素という女性と主人公の間に表に殆ど出さないものがちょいちょい溢れ、それが積み重なってのクライマックスなんだけど、情報が少なすぎて読みようによっては唐突に感じるだろうし、私もオチが見つからないからそういう展開にしたのではと雑に解釈しそうになってしまった。

 

まだシリーズとしてはいくつかあるようなのでそれらを読むまでは結論は保留したほうが良いんだろうけど、サラッとした文体なので読みやすく、ページ数も少ないのであっちゅーまに読めました。

で、いま確認したけど…

ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)

ダウン・ツ・ヘヴン (中公文庫)

 
クレィドゥ・ザ・スカイ―Cradle the Sky (中公文庫)

クレィドゥ・ザ・スカイ―Cradle the Sky (中公文庫)

 

 (順不同)

あと5冊あるのか…

読む前にアニメの方を見ておこうかなあ。

 

SFかどうか物議を醸したのだけどSF要素はあるかなー。サリンジャーを引用したり作者の世代からの感傷的な表現も向き不向きがありそうだけど最後まで読めそうな気はするので手配しましょう…