夜は終わらない

複雑に入り組んだ現代社会とは没交渉

デンジャラス・ラン

 なんかデンゼル・ワシントンが強いやつが見たい、と思って見放題からえらんだやつ。

 老けたサム・シェパードみたいな人がいると思ったら本当にサム・シェパードだった。

【ストーリー】
最果ての地、南アフリカにあるCIAの隠れ家に一人の男が連行されて来た。彼の名はトビン・フロスト。36カ国で指名手配を受けた犯罪者にして、元CIA最強のエージェント。そして彼が収容されるやいなや、完璧なはずの隠れ家が襲撃される。「彼らは、俺を狙っている。お前は俺を守る義務がある。どうする?」フロストに選択を迫られる隠れ家の管理人マット。新米CIAの彼は壊滅寸前の隠れ家からフロストを引き連れ、決死の脱出を試みる。武装した未知の敵は何者なのか?フロストが狙われる理由は何なのか?世界から狙われる男と運命を共に、今、危険過ぎる逃亡劇が始まる !

ボーンと比較されるのはCIAが信じられない、そのCIAの幹部に冷徹そうな女性がいるってあたり?ちうてもボーンシリーズは2作目までしか見てないんだけど。

他の作品でも度々出てくるこういう諜報機関の中枢にいる女性って、頭はキレるんだろうけど体力とかはどうなのか、どのへんが向いていて諜報機関でお仕事しているのかが気になる。その辺が明確でないのにいろいろ暗躍している。女性なのが良いスパイスなのかな?

アクションシーンがいちいち派手で、舞台が南アフリカなので白人が黒人を拘束したまま連れているのがパッと見いい印象がないのをうまく利用して逆転しようとするシーンがあってなるほどなーと思ったり。舞台が猥雑な街なだけにしっちゃかめっちゃかぶりが説得力あるので見ごたえはあり。終始主人公二人がお互いに敵か味方かはっきりしない状態で第三者から繰り出される暴力に対抗しながらそれぞれ目的を達成しようとするあたりがカオスなのにわかりやすい展開なのも良く出来ているな~って。

スパイは恋人とうまくいかないっていうお約束も匂わせつつ、こういうのっているのかなあ。新米スパイで真面目で正義感が強いから恋愛も真面目って演出なんだろうけれど。ロートルだけど実力ある元スパイのデンゼル・ワシントンといい対比にしたかったのか。

最近のスパイものって大概所属している組織が役に立たなかったりあてにならなかったりするよね…結局主人公一人とか主人公が組んだ少数精鋭でなんとかするしかない感じ。面白いけれどどれもそんなだとこれもかーいって思っちゃう。

 

最後まで見たらああそういう話だったのかあってわかるけれど、私はデンゼル・ワシントン無双が見たかったのでもっとキレッキレに暴れてほしかった。途中まで髪がもっさりしていたのがちょっとおもしろかったが、そこからの変身がかっこいいので要チェック。

けものフレンズを最後まで見て

そんなに細かく見ていないのであんまり書くこともないかなーと思っていたけれど、この世界観どこかで…っていうのがちょっと頭にあったのが明確になったのでちょっとだけ。

 かわいいキャラクターだが擬人化された動物たちが擬人化された背景までわりとはっきりしていて、世界の造形が今の世界が荒廃した感じ、そのなかで不思議でこちらの常識が通用しない敵と戦いながら(あんまり殺伐としていない感じもありつつも)サバイバルしている世界観ではあるけれど、自分たちの世界を把握しきれないまま助け合いながら生き延びようとするあたりが…

 

7SEEDS(1) (フラワーコミックスα)

7SEEDS(1) (フラワーコミックスα)

 

 これを柔らかく優しくした感じだなって…

7SEEDSめっちゃ怖いけれどね。心が弱っているときには全然読めない。集団で生き残ろうとしたけど駄目で朽ちた遺体が持っていたノートに書かれていた話とかもう、めっちゃ怖かったのでその辺は飛ばした覚えがある。

最後の人類かもしれないかばんちゃんって存在が物語の行間を恐ろしく寂しくさせているのがけものフレンズのすごいところだなー、なのに割と呑気でピュアな話にしているのが素敵だなーと思ったのであった。あまりにソッチのほうが強いので、寂しげな背景にはうっかり目を背けそうになっている、思考を止めそうになっている気もする。

 

ようこそジャパリパークへ

ようこそジャパリパークへ

 

歌詞がすごくいいのでしょっちゅう聴いている。

ようこそジャパリパークへ

ようこそジャパリパークへ

 

アニメスタイルと公式ガイドブックが延期の件

 いままでいろんな雑誌の表紙を飾ってきたユーリですが(しかしアニメ始まったあとしばらくは表紙を飾らなかったよね、まさかここまで人気が出ると思ってなかったから乙女雑誌はうたプリととうらぶと夏目、普通のアニメ雑誌はオルフェンズとかだったような気がする)アニメスタイルは平松さん直々に手掛けたこれ!!見て!!なんて素敵なの??

アニメスタイル011 (メディアパルムック)

アニメスタイル011 (メディアパルムック)

 

 こちらは番組OPの衣装の3人で公式感強い流石公式!!

 …で。

この2冊、もともとは4月中旬から下旬の発売予定だったのが、延びて同じ日取りになりました。

確か円盤購入特典のイベントがGWだからそのあとに出版されるってこと。

 

 

こりゃあ、イベでなにかあるな…??

 

 

円盤最終巻が5月末の発売だから、円盤に特別に収録されるものの発表の可能性もあるけれど(ユリオのエキシを見せてほしいとか、最終回のディレクターズカットやってくんないかな、尺が足らなかったんでしょ?とか思うところはある)それって雑誌やムックに載せて騒ぐほどの内容か…まあ、ファンはどんな新しい情報でも滾るけれども。

 

いまだに版権商品が出るたびに話題になり、今回のアニメスタイルの表紙だってまたも勇利に触れていないと死ぬし見ていないと死ぬヴィクトルっぷりよ。平松さんご自身もこの二人の関係性をよく検証された上で原画を手がけていらっしゃるから今回もよくわかっていらっしゃるなあって。

 

ヴィクトルはカメラへのサービスより勇利を取りおった…

 

これって実はすごいことなんじゃないかな、1話の代々木を思い出してよ。カメラマンのハートですら飛び出していたあれ。ファンサービスを重視するヴィクトルがそうするべき瞬間にカメラ見てないって。

しかも指がふたりでふたつのLを表現とか…最終回まで見た者にとってはもう、またすごいものを見せられたなと思いつつもこういうことをやってもおかしくない二人に感謝でひれ伏すよ。

 

公式のカレンダーでのヴィクトルはどれも可愛かったけれど久保先生が描かれたヴィクトルは子供のように無邪気かつ、勇利とペアルックで二人揃って可愛かった…久保先生の描く勇利ってとんでもなく可愛い!!他のキャラの衣装からしてエキシかアイスショーって感じなんだけど二人はまた一緒に滑ったのかとかいろいろ想像力が膨らむ。

www.movic.jp

 ↑アマゾンの方は2017/04/07現在転売屋が出品しているので、オススメはしません。多少待ってもMOVIC公式で購入されるのがいいかと。ご自分のお金が直接MAPPAなり久保先生なりに利益として回ります。

 

ユーリオンアイスでAmazonを検索したら↓がヒットするんだけどこれもいい思い出だな…(持ってる)定価5000円+税だからこちらの出品はお高いけれど。

 GWのイベントはどうなんでしょうね、私は全く縁遠い話なので見に行った人のレポを待つしかないかしら。

 

ところで私はどうも9話11話ショックがそうとうきつかったらしく、未だに薄い本とかで勇利がヴィクトルと離れそうになるだけで心臓がギュッと掴まれたようになってうまく息ができなくなるんですけどなにかの病気なのかしら。

この二人には離れずにそばにいてほしいなあ…二人が離れると死んじゃう病にかかってしまったのかもしれない。

だからアニメスタイルの表紙というバリバリのがっちがちの公式で二人が指輪をしてるとすごく嬉しかったり(部活のチームメイトのノリだとかソウルメイトの証だとかにしてもだ)雑誌の表紙やピンナップで仲が良さそうだとホッとするのであった。 

PASH!  ILLUSTRATION FILE 2017 (生活シリーズ)

PASH! ILLUSTRATION FILE 2017 (生活シリーズ)

 

 こんなに創作物のカップルの幸福を願うのはいつぶりかしら…にわかに思い出せないわ。

 

追記(2017/04/26)

公式ガイドブック、また延びたよね…それだけ内容が充実するって信じている…

スタニスワフ・レム 「泰平ヨンの航星日記【改訳版】」

 短編小説集というか連作。

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)

泰平ヨンの航星日記〔改訳版〕 (ハヤカワ文庫 SF レ 1-11)

 

隕石と衝突し、突如操舵不能になった宇宙船。しかも悪いことは重なるもので、なんと船はピンケンバヒヤ重力渦に突入、時間の流れがめちゃくちゃになった結果、月曜日の私からはじまって火曜、水曜、木曜……と無数の私が出現! てんやわんやの大騒動に……広大無辺の大宇宙を旅する泰平ヨンが出会うさまざまな奇想天外・珍無類のできごとを、東欧SF界の巨星レムが奔放な筆致で描きあげた連作短篇集、待望の改訳決定版!

細かい事情はまだ解説とか読んでいないので知らないけれど、改訳版とそうでないやつはなんかいろいろちがうらしい。が、未来学会議とかこちらをチラ読みするだけでもむちゃくちゃ面白いというか私の好みだったので腰を据えて読んでみようって、とりあえず「第7回」を読んでみた。

泰平ヨンという宇宙飛行士の自分の旅の記録、という体裁で「第7回」はその7回目の記録、この本はそこから始まる(序文があってそこから読むのがいいらしいが飛ばしたのでこれから読む)。

 

【第7回の旅】

相対性理論的ななにかで増え続ける自分とトラブルを解決しようとするけれど全然うまくいかずハチャメチャになるお話。こんなのどこかで読んだ!って感じがするけれどきっとこちらが元ネタ。ところどころにあるギャグ的なものが私にはどストライクで(ステーキとか、トラブル回避のための動作の説明が雑とか)ウキウキしながら読んだ。途中やたらとややこしくなるけれど、ややこしくなって当たり前なので本筋だけを注視すればいいかんじ。増え続けた結果の展開とかもどこかで読んだけれどこれが元ネタなんだろう。あのあたりも小気味よく笑えた。面白かった。こういうの、大好き。

 

【第8回の旅】

最初の十数行でブフォオ!と吹き出してしまった。途中の表現、セリフの言葉の選び方、どれも頭のいい人の考えた風刺混じりのひどいギャグって感じでモンティ・パイソン好きにもオススメできる…そしてまさかのオチ。

えらく肩の力が抜けたお話なので、難しく考えてはいけない、泰平ヨンは難しく考えてはいけないと思ったのであった。たのしーよ、これ。

ACCA 13区監察課7話以降 

 6話まで見てどないなもんやねんとじりじりしていたままリアルタイムでは最終回を終わってしまい、見放題のほうは今月で終わりとのことで、慌てて追いかけているところなんだけど…

 7話から急展開!!!!!

びっくりした!見るのやめた途端に面白くなるのズルい!!

8話でとんでもねー事実が!!

なんかニーノのこの秘密、どこかで見た!

学園ヘヴン BOY'S LOVE SCRAMBLE!

学園ヘヴン BOY'S LOVE SCRAMBLE!

 

 うん、見たことあるね!!

ニーノの内助の功に泣きそうなんですけど…!!

そして遊佐様が遊佐様である意味。べ様のグロッシュラー長官がじわっと額に汗して目を伏せるシーンにはちょっと萌えてしまった。こえーよ遊佐様。

後半いきなり面白くなる作品のパターンにしては前半が地味で、後半のクライマックスも激しいアクションはなく、大人の展開。やっぱり大人感つきまとう。飯テロに関しては私はピンとこず(肉でなくパンだからか?)、王のためにストーキングをしているニーノとその父の献身ぶりに胸が痛くなっていたり。

 

最後まで見るとまとまりはあるものの派手さはない。逆転劇は多少はスッキリするけれど、良くない感じの部分の良くなさが、わかるけれどもっとこう、胸糞悪くてもよかったかも。どこまでも品はある。

面白みはあるけれど、なんでアニメ化したんだろ?って気もした。これほど感情が揺さぶられず、爆笑しなければ泣きもしない作品も珍しいが、そういう作品があってもいいとは思う。

また見たい?って訊かれたらもうお話は知っているからいいか!そんな感じ。

進撃の巨人 Season2 第26話 「獣の巨人」

 毎回感想書くかどうか、毎週真面目に見るかわからないけれど今回は4年ぶりの2期、私はライナーを演じているほそやんが好きだということで感想を…原作読んでいないからこの辺あんまり知らないし。

 

 

 久々に「あーん」が見られたとか、あっちゅーまに蹂躙されていく人の蹂躙されっぱなしにガクブルだったけれど、やっぱりOPはかっこいいしライナーよく喋っていたし(でもジャンが出てこなかった…ジャンも夢に出てくるくらい好きなのに)ハンジさんがいきなりかっこいいし、見てよかったよ、うん。

 

あれが子安さんなのにびっくりしたけど!!!

 

 

それより冒頭から気になっていたんだけど、どうやって巨人の襲来を防ぎながらあれだけの壁を作ったんだろう。1期の作中で語られたかもしれないけれど。そう思っていたら壁から巨人の顔が現れて背筋が凍ったり。ちょうど疑問に思っていることへ新たな疑問を投げかけてくるタイミングとか恐ろしい。

 

で、巨人を見ていると前からなんだけど、他のアニメでもモブが巨人に見える病気が発症するから怖いなあって。

 

面白いところも萌えるところもあるんだけど、本能的な恐怖がぞわぞわしてくる、それがこの作品なのだけど、私はこれを毎週見るんだろうか…早くも逃げたがっているんだけど。面白いけれどグロいの本当に駄目。

 

 

心臓を捧げよ!(TV Size)

心臓を捧げよ!(TV Size)

 

 

心臓を捧げよ!

心臓を捧げよ!

  • Linked Horizon
  • アニメ
  • ¥250

 

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ

 大昔にハヤカワ・SF・シリーズ(銀背)で出版されたのが絶版になって久しく、しかもあまりに大昔なのでデータとしてAmazonにもないという状態で、読んだ人たちやコニー・ウィリス本人*1とそのファンから語り継がれていた伝説の作品、ルイス・パジェット(ヘンリー・カットナー)作「ボロゴーヴはミムジイ」がアンソロジーに収録される形で復刊して数ヶ月。

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)

伊藤典夫翻訳SF傑作選 ボロゴーヴはミムジイ (ハヤカワ文庫SF)

 
S-Fマガジン 1965年11月号 (通巻75号)

S-Fマガジン 1965年11月号 (通巻75号)

 

 ルイス・パジェット「ボロゴーヴはミムジイ」

時間SFだという話は聴いていたけれど具体的にどんな話かまったくわかっていなかったのだけど、読んだら「幼年期の終り」を思い出すところもあり。

大人は昔子供だったのに、大人になってしまうと子供のことは理解しがたい存在になるのかね。

私は子供の頃に考えていたことを割りと克明に覚えているから(というか今と考えていることはさほど変わんないというか)ここまで理解不能じゃないけれど、噂を聞くとこんなちょっと怖い話だとは思わなかったので驚いている。

タイトルがあの作品からとられているのも初めて気づいてあの作品は奥が深すぎるとか。10歳の頃に自分のお小遣いで買った本だけど不気味なイラストに目が行きがちで、しかも買ってすぐにあの有名な作品の続編で私はそっちは映画でしか知らない、と気づいて読んでないまま数十年…

ネタバレになるのでその作品名は伏せるけど。

 

何かに取り憑かれた(言い換えれば集中している)子供はそれ以外にはなんの未練も思慕もない、それをそばで見ている保護者は寂しさと管理者として制御できない恐怖を感じるのかもしれない。ちょっとかわいそうになった。

 

面白いかどうかは読む人によってぜんぜん違うと思うのだけど、私は銀背を5000円近く出して買わなくてよかったなーって。適切な価格を翻訳者に印税として支払える状態で購入できてよかった。早川書房さん、復刊してくれてありがとう。

 

 

幼年期の終り

幼年期の終り

 

 

 

 

*1:何かの講演とか自分の著作の前書きとかなにかで強く推していた